公認会計士講座【資格の大原】

平成27年公認会計士試験の合格者の皆様、合格おめでとうございます!

合格者受験番号一覧等はこちら(公認会計士・監査審査会)
平成27年公認会計士試験結果データ・統計

平成27年公認会計士試験最終結果
出願者数 10,180名
最終合格者数 1,051
合格率 10.3%

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◆公認会計士に存在するリスク・デメリット等

公認会計士という資格にはさまざまな魅力があれば、リスクも存在します。

いい面だけでなく、こんな人には向いてないかもしれない、など、
公認会計士を目指すなら違う側面も当然知っておくべきでしょう。


◆公認会計士試験の難易度

公認会計士試験は難関国家試験で知られており、新試験制度になったとしても、
一つ一つの科目の難易度が高い資格です。

初学者から1年で合格することは相当程度困難です。
(難関試験にしては比較的短期合格しやすいといわれていますが。)


新試験制度になって免除制度が充実したといっても、最終合格しないことには公認会計士試験合格者になることはできません。
(当然、業務補助等や実務補習も受けれず、公認会計士となる資格を有しないわけです。
公認会計士になるには


試験合格までには、たくさんの時間・労力・金銭・機会損失が発生します。

そこまでして、取得したい資格なのか、よく見極める必要があり、取り返しの付かない貴重な時間を棒に振る可能性も少ながらず秘めています。

公認会計士試験の難易度について。


◆公認会計士試験に合格しても監査法人に就職できないリスク

公認会計士試験に合格しただけで、すぐに公認会計士になれるわけではなく、
業務補助等、実務補習、修了考査、登録が必要で、中でも通算2年以上の業務補助等の実務経験は、
ほとんどの人が、監査法人に就職して会計士の補助をすることで実務経験を積みます。


ですが、近年、国が合格者を増やしたことや、不況などの影響により、
監査法人に就職できない人が大勢いる状況となっています


旧試験制度では、600人から1,000人だった合格者が、
新試験制度になり3,000人から4,000人の合格者が誕生しました。

背景には、国は、四半期決算の義務付け、J-SOX(内部統制監査制度)の導入などで、
監査の人的資源が必要との思惑で増やしたようですが、ふたを開けてみると、
そこまでの人数は必要ではなかったという見通しの甘さが露呈され、
加えてリーマンショック、サブプライムなどによる不況の影響で、新規上場の減少、
倒産などにより、顧問先が減ったことによる監査業務の減少も、 就職難の原因となっており、
大幅に増加した合格者受け入れることができないでいます。


監査法人での補助だけが、実務経験を積む手段ではなく、一般企業での実務従事によっても実務経験となりますが、 一般企業の中には、「資格を取ったらやめられるのではないか」などの懸念があるため中々監査法人に就職できなかった人たちを受け入れられていない現実があります。


このような就職難は、以前にもあり、2003年頃にも監査法人に入れない公認会計士試験合格者(当時は会計士補)がいたこともあり、 いつ合格したかなどで、監査法人に就職できず、ひいては実務経験が積めない=公認会計士なれないリスクもあることを知っておくべきでしょう。


◆様々な義務を負う

公認会計士は、業務上知りえた情報を正当な理由なく外部に漏らすことはできません。
これは公認会計士をやめたあともその義務を負います。

また、公認会計士の名前を汚すような行為をすることはいけません。


他にも、監査を行った会社の役員などになることや、株主や出資者、債権者になることもできません。
これは公認会計士の配偶者も然りです。

公認会計士の義務についてはこちら


◆刑事責任や、民事責任、訴えられることも

経営者が作成した財務諸表を監査し、意見表明することが公認会計士の仕事ですが、
間違った意見表明をしたり、粉飾決算を見逃したり、粉飾決算に関与してしまった場合、
会社法や金融商品取引法などの刑事責任や、商法上の民事責任を問われ、訴えられることもあります。

せっかく苦労して取った資格も剥奪され、懲役や損害賠償請求されることもあります。


◆懲戒処分

公認会計士は「信用失墜行為の禁止(公認会計士法第26条)」「秘密を守る義務(公認会計士法第27条)」などさまざまな義務を負います。

これらに違反した場合は、戒告や業務の停止、登録の抹消などの懲戒処分を下されることになります。

処分されると、金融庁のホームページに実名入りで公表されることになります。

上記のように粉飾決算に関与した場合などが、懲戒処分だけでなく、法的責任も負います。


◆合格してからも一生勉強

試験に合格し、公認会計士になったらそれで安泰ではありません。

どんな職業でもどんな資格でもそうでしょうが、顧客のニーズに応えるには常に自己研鑽が必要です。

特に公認会計士は高度な知識が要求され、目まぐるしく変わる制度等に対応していく必要があるので、
資格試験での勉強以上に勉強する必要があるでしょう。


勉強が嫌いな人が、一生の仕事としていくにはつらい仕事かもしれません。


◆数字が苦手な人には向いてない可能性が高い

公認会計士の業務上、数字を扱いますので、数字を扱うことに苦痛を感じる人は、つらいでしょう。

これまで数字を扱うことは苦手だったけど、それ以上に公認会計士という職業に魅力を感じる場合は別ですが、
そうじゃないなら他の仕事を選択したほうが良いかもしれません。


◆どうでもいい話ですが

どうでもいい話かもしれませんが、公認会計士はそれほど知名度が高くありません。
日本でも有数の難関資格でありながら、医師や弁護士みたいな世間ではメジャーな資格というわけではありません。

公認会計士と関わる人は、大企業の経理の人など世間一般からすると少なく、ドラマや漫画、小説などに題材にされることもほとんどなく、医師や弁護士、警察官のように登場することはないからでしょう。
監査法人で、監査をしてるといっても分からない人も多いことでしょう。


公認会計士になるとついてくる税理士の方が知名度が高く、税理士と間違えられたりすることもあり、悩ましいことでもあります。

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