平成18年(2006年)から新試験制度になり、第1次試験、第2次試験、第3次試験の3段階に分けられていた公認会計士試験が一本化されましたが、一本化されたことにより、公認会計士になるまでの時間が短縮され難易度は別として、一見受け易くなった印象です。
ですが、よくよく制度を観察してみるとそうでもないようです。
旧試験制度において、1次、2次、3次と分けられており、順に合格していく必要がありましたが、
旧第1次試験を受験する人、合格して旧第2次試験に進む人の割合はかなり小さなものでした。
年度別 | 旧第1次試験 受験者数 |
旧第1次試験 合格者数 |
旧第1次試験 合格率 |
旧第2次試験 願書出願者数 |
旧第2次出願者に対する 1次合格者の割合 |
---|---|---|---|---|---|
H17年 | 68 | 10 | 14.8 | 15,322 | 0.1% |
H16年 | 147 | 13 | 8.8 | 16,310 | 0.1% |
H15年 | 166 | 20 | 12.0 | 14,978 | 0.1% |
H14年 | 150 | 30 | 20.0 | 13,389 | 0.2% |
H13年 | 119 | 19 | 16.0 | 12,073 | 0.2% |
H12年 | 141 | 28 | 19.9 | 11,058 | 0.3% |
H11年 | 221 | 34 | 15.4 | 10,265 | 0.3% |
H10年 | 227 | 27 | 11.9 | 10,006 | 0.3% |
H9年 | 249 | 34 | 13.7 | 10,033 | 0.3% |
H8年 | 266 | 45 | 16.9 | 10,183 | 0.4% |
H7年 | 254 | 48 | 18.9 | 10,414 | 0.5% |
H6年 | 716 | 80 | 11.2 | 10,391 | 0.8% |
H5年 | 838 | 143 | 17.1 | 9,538 | 1.5% |
H4年 | 840 | 107 | 12.7 | 8,102 | 1.3% |
H3年 | 732 | 151 | 20.6 | 7,157 | 2.1% |
H2年 | 770 | 208 | 27.0 | 6,449 | 3.2% |
H1年 | 638 | 155 | 24.3 | 5,735 | 2.7% |
ご覧のように、旧第1次試験から受験する人は、旧第2次試験からの人と比較してかなり少数です。
旧第2次試験出願者に対する、旧第1次合格者は多いときでも3%程度、
旧試験制度が終わろうとしている時期には、0.1%程度と、ほとんどの人には関係ないということが分かります。
これは、公認会計士試験を受ける層は、ほとんど大学生、大卒ということを示しており、 新試験制度になろうが、短答式試験が実質、公認会計士試験のスタートというのに変わりがないといってもいいでしょう。
新試験制度において、免除制度等の充実により、社会人の方が受験しやすくなったといわれていますが、 まず受験しなければならない短答式試験を免除される条件は、制度的には一般の人にはあまり関係ないですし、 どちらにせよ、短答式試験の科目を網羅しなければならないので、社会人にとってハードルは下がることはないように思われます。
もし、短答式試験に合格すれば、2年間免除されますが、どちらにせよ、論文式試験のために勉強することには変わりません。
ということで、新試験制度になって難易度が下がったと思わないほうがよさそうです。
(免除がない以前よりはいいというくらいの程度だと思ったほうがいいようです。)
会計士補とその他の職業の合格者数や合格率を比較したデータはこちら。
旧試験制度であった、実務経験後の第3次試験ですが、新試験制度ではなくなりましたので、
公認会計士になるのが楽になったと思いがちですが、まったくそうではないようです。
図では、新公認会計士試験のあと、実務経験、登録と簡素化されているようになってますが、
修了考査が実質旧3次試験の代わりとなります。
修了考査に合格しないことには、公認会計士に登録できません。
(その前に監査法人に就職できないと、業務補助等ができないということもありますが・・・)
ということで、よくよく試験制度を比較してみると、あまり変わってない、 というのが結論なのではないでしょうか。
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